イラストでおすすめ・銀河鉄道の夜/学研版・10歳までに読みたい日本名作1の感想

イラストでおすすめ・銀河鉄道の夜について

買った理由は?

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」は、これまでにも何度か読んだ。旧版の旧かなづかいのものも、新編の現代版も、すべて読み通した。
表題からもわかる通り、この本は、小学生にも読みやすいように翻案された再編版である。なぜ買って読んだかというと、イラストが自分の好みにマッチしたからだった。
ちなみに文は芝田勝茂(しばた かつも)、イラストは戸部淑(とべ すなほ)。全然知らない・笑。イラスト絵は、いわゆる現代のアニメ風なので、マニアなら、あ、知ってる、知ってる、という方もいるかもしれない。ひと通り印象をいうと、主人公のジョバンニは、こちらのイメージにほぼ合うが、カンパネルラはブロンドの髪が新鮮だし、社内に来る難破船の少女も好みに合っている。つまり、全体に気に入ったので、買って損はなかったといえる。

文は?

小学生向けなので、原作の難しい展開や混乱した個所_原稿の欠落や、前後のつながりがあいまいなくだり_はよく整理されている。それでも、検札に来た車掌にあわてて渡したジョバンニの切符が、なぜ天上を自由に駆けまわれるのか、幻想第四次空間とは何か、ということは、はたして小学生に理解できるのかどうか、とも思う。それ以外は、原作のふんいきをよく伝えた良書といいえる。

大人でも楽しめる?

多少ネタバレになる、といっても、もう内容と結末は広く知られているので、ありていにいうと、このファンタジーは、自己犠牲の是非と、友人の死、いじめの問題など、童話と銘うっても、かなり重いテーマをあつかっている。むしろ小学生が読んでその重さを受けとめられるかどうか。トラウマになってしまうのではないか、と、つい余計な心配をしてしまうが、いつかは知ることだし、知っておいていいことでもある。大人の自分でも、いろいろ考えさせてくれる懐かしい本でもある。

また読みたくなる?

もちろん再読再再読にたえる、いい本だというのが、率直な感想だ。また、他の版と読み比べたり、もっと深い考察をしていきたくなった。ここから宮沢賢治論をはじめる小学生がいたら、などともつい思ってしまう。そこまでいかなくても、正直な読書感想文が期待したいところ。